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田舎暮らしで困ること。

 それは、劇場アニメが見れないことです。
 TV放送でも差があると思いますが、自分は埼玉県民なのであまり困ってはいません。それでも近年は放送されていないアニメが多いみたいですね、タイガー&バニーって映画化されるらしいけど、そんな人気アニメいつ放送していたの?という感じ。
 最近アニメ映画って凄く多いんですけど、その多くが地元では見れないのが大変です。
 今日は「フェアリーテイル」の劇場版を見に行きました、これがなかなか遠くって10以上遠くの駅まで電車に乗って出かけないと見れませんでした。
 「コードギアス」も見たかったんですが、上映時間が合わずに断念、「るろうに剣心」を見て帰って来ました。
 「フェアリーテイル」原作の予備知識もなく見たんですがなかなか楽しめました、映画なのでもう少しカロリーの高い感じがあってもいいかな。
 お話の方も、面白そうな要素はあるんだけど、噛み合ってない部分が所々にあって、特に最後のヒロインのセリフが唐突に感じて「?」となってしまいました。
 全体的にキャラクターが活躍しているのを見る作品だと思うんですが、ジュビアというキャラクターが良いキャラで、この娘が出ているのを眺めてるだけで楽しいなと思いました(笑)
 「るろうに剣心」は予告を見た印象のままで、それなりに良かったんですが、アクションの見所みたいな部分を予告で見すぎていたのかな、それ以上の何かが無かったので物足りなさがあります。 
 あと、薫がポニーテールじゃないのも物足りなかったです(笑)剣心がマンガと同じ格好になるのにプロセスがあったので、こっちも・・・・・・・・・とおもったら何もありませんでした(笑)
 剣心の動きが早い(と思わせる)カットがだいたい予告で見たものでほとんどでしたね、こういうことがあるのでもう最近はできるだけ事前情報を絞るようにしていて、絶対見るようなアニメなんかは事前に予告映像とか一切見ないようにしていきたいなあと思うようになりました。
 だから、エヴァQの予告はもうアレで全部でいいなあ~。
 原作ファンなのですが、続編があるようならば期待したいです。
 そういえばかわったクレジットが最後の方にあって、この映画を制作するに辺り動物は虐待されていませんとか何とか、映画で出てくる動物は薫が猫ちゃんだ~って言って撫でてるところくらいだったと思うんですが・・・・・・・・・?


 最近買った本。

 「おおかみこどもの雨と雪ARTBOOK」
 分厚い。
 これが2600円で出てるなんて凄いことだなあ、カラーページたっぷりだし。
 カラーページは主に背景美術に割かれています。
 レイアウトも沢山載っていますが、ちょっと物足りない・・・・・・・・・もっと山下高明さんの絵が見たい!
 原画の掲載はもっとあるかと思ったんですがかなり限られていますね、井上俊之さんが描かれた雪の森を親子で疾走するシーンを抜粋で掲載しているものが中心で、抜粋されている中で抜けているものも、そこが見たいんだけど・・・・・・・・・とちょっと物足りない感じがします。
 掲載されている井上俊之さんのインタビューが目開きでの掲載されているんですが、これが読み応えがあって、今の井上さんの気分みたいなものがよく伝わってくる気がします。

 「機動戦士ガンダムUCインサイドアニメーションワークス1」
 原画集なのかな?と思って買ったんですが、変わった本ですね。
 主にキャラクター別に設定と総作画監督修正っぽいものが載っています。
 ロボットのページもお乗っているのは主に修正。
 キャラクターの方は顔のUP中心、かとおもうと手だけのカットにページが割かれていたりもします。
 キャラメカともに動きがわかるような原画の載せ方ではないですね、描き込みの感じを見るための本なのかな?
 今の時代のリアル系メカアニメの作画がどれだけ大変なのか、UC本編はまだ1巻しか見ていませんが、そうしたメカアニメの中でも頂点にあると思います。
 これだけの密度で、これだけ動くというのがもう少し分かる内容の本ならもっと良かったなあともいます。
 1ということなので、2が充実することに期待したいです、そしてUC本編も見ないといけませんね。
 注目はあまりこうした本には掲載されることのない、作画注意事項が大量に掲載されている所でしょうか。
 
 「ぼくのくるま」「ポール」
 岡本順さんという児童書の表紙や挿絵で活躍されている方の単著で、どちらかというとマンガですね。
 メビウスを日本調にしたような感じで、日本人的な顔をうまく漫画絵に落とし込んでいる所が上手いですね。
 とあるアニメーターさんが強い影響を受けていると聞いて買ってみました。

 「五十嵐大介画集 海獣とタマシイ」
 五十嵐大介さんが好きで待ちに待って出た待望の画集です、ちょっと判型が小さいかなあと手に時は思ったんですが月刊漫画雑誌サイズという事なので、コレもありかなと思いました。
 内容は画集だけということではなく、五十嵐大介総特集雑誌を見ている感覚がします。
 今までの五十嵐大介さんの対談が再構成されて収録されているんですけど、五十嵐さんのマンガの絵と絡めた誌面の空気を作っていて何だか面白いです。
 ただ、昔の対談を再録するだけでなく、どうせなら新しい対談があればもっと良かったんじゃないかなあと思います。
 画集と読み物的な2冊にわかれていて、読み物的な方にもマンガのネームとかラフスケッチとか色々載っていますね。
 画集の方は年代順ではあるんだけど、カラーページだけでなく白黒原稿も挟んであって、トリミングの仕方も独特です。
 自分はページを開く面白さがあって、五十嵐大介さんの絵を見る以外の面白さも楽しめました。
 画集発売に向けてテンションが上がっていたので、単行本やこの画集に収録されない五十嵐大介さんのマンガが載っている雑誌を買い集めてまとめて読んだんですが、ページ数は少ないけどどれも面白かったですね、バリエーションがあって。
 絵柄もどれも微妙に違う感じがしました、引き出しの広い人なのかなあ~
 この画集を見ていて、あと友人の絵とかの影響もありますが、自分でも水彩でカラーの絵を描いてみたくなりました。
 このブログでらくがき何かを載せていくのもいいかなあーと思います。
 
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by Yakeishi-ni-Mizu | 2012-08-26 01:09

最終回!

 ぽちょむきんの最終回を読みなおした。
 戦艦でない、ただのぽちょむきんだ!
 「ぽちょむきん」というのは、北道正幸さんが月刊アフタヌーンで連載していたヒーローマンガ。
 自分は子供の頃からヒーローというものが好きで、未だに仮面ライダーを毎週見ている様な人間なんですが、このマンガはそんな自分のヒーロー感に一石を投じてくれた作品で、今でも好きなんです。
 でも、このマンガの問題は打ち切りだったってこと・・・・・・・・・
 単行本は全部で4冊出ているんですが、単行本には雑誌に掲載された回が全部収録されていたわけではなくって、しかも大問題なのは連載の最終回が掲載されてないってこと。
 この漫画の最終回がなかなか凄いのは内容が最終回だったこと。
 話の間をすっ飛ばして最後に行き着くべきはずだった最終回が最終回でいきなり始まったんです、これはびっくり。
 だって連載ではまだ仲間も揃ってなかったのに、というか途中から違うマンガやってたよな。
 そうそう、このマンガ途中で全然違うマンガやってたんですよ、アレは一体何だったんだろう?
 そして、そんな「ぽちょむきん」とは全然関係ないマンガが何回か続いた後に更に何回かの休載を挟んで載ったのがこの最終回!
 凄いことに、それまでにあるべきはずだった話は枠外の登場人物紹介の文章の中に書かれていて、そこから想像しなくてはいけないというなんとも前代未聞なことに。
 しかも今まで出てきてないし、最終回にもでてこないキャラクターまでいて、そんなマンガは初めてだったし、多分もう読むことはないんじゃないだろうか?
 そこから想像できるストーリーは関係ない冗談をはさみつつなんだけど、「ヒーロー物」という概念に一味違った面白さを加えたもので・・・・・・・・・これ、ちゃんと読みたかったなあと心底思ったものです。
 そんな色々があった最終回。
 またこの最終回を単行本で読み直したいなーと思いつつ経ってしまった幾星霜の年月、というか十年!この最終回は単行本に収まることなく、マボロシとなったのでした。
 あの時、あの雑誌を買っておけば良かった!何度そう思ったことか・・・・・・・・・
 そんな後悔を晴らすために手に入れて読んでみたんですが、やっぱり面白いな~。
 

 土曜プレミアム「ONE PIECE エピソード オブ ナミ 航海士の涙と仲間の絆」8月25日。
 
 http://www.toei-anim.co.jp/tv/onep/campaign/nami_sp/index.html#outline


 映画天国 8月27日。
 実写版映画公開記念 「ひみつのアッコちゃん祭り!」アニメ版「ひみつのアッコちゃん」

 http://www.ntv.co.jp/eigatengoku/

 こんなのやるんですね、ワンピース新作映像一切見てないのでどうかわからないけど、楽しみです。
 アッコちゃんは大注目ですよ!1作目の宮崎駿さんの暴走っぷり、そして変わらなさを楽しんで下さい。


 るろ剣の新しいの後編だけを見たんですけど、松本憲生さんがちょっと原画描いてるんじゃないかな、6カットくらい。
 夜桜でも10カットくらい描いてるんじゃないかなあ。
 
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by Yakeishi-ni-Mizu | 2012-08-24 01:04

おおかみこどもの雨と雪、を見た。

 「おおかみこどもの雨と雪」素晴らしかったです。
 自分はとても体感的な映像だなと思いました。
 強く意識したのは、光と音です。
 少し前に、友人と話していて映画館で映画を見ている時に画面が真っ暗になると、会場全体が真っ暗になる。
 映画館で映画を見る事で得られる、独特の効果だという話になりました。
 この映画ではそうした視覚的な効果を意識しているのではないかなと思いました。
 例えば、主観的な映像で雪の森の中を疾走した後に画面が真っ白になった後、真っ青になるシーン。
 あるいは、霧の中を走る雨の視点が真っ白になり、霧がはけて高原の景色が一面に広がるシーン。
 映画冒頭とクライマックスにある花畑の中で逢瀬する花と彼の幻想的なシーンだとか。
 これは暗順応、明順応のような視覚的な反応効果を意識した、画面の明るさが一変する処理で編集として黒コマを挟んだ画面が真っ黒になるという処理もいくつか見受けられたような気がします。
 こうした映像が登場人物の主観であり、登場人物と映画を見ている自分たちが、主観的な光の変化を共有できる瞬間にもなっていると思います。
 主観という意味ではこの作品はかなり主観的なカットが多いなと思いました。
 おおかみこどもが動きまわるシーンはほとんどそうだったような印象があります。
 こちらは固定カメラで定点観測のようなカットが多かったけれど、閉鎖的な都会のアパートと開放的な田舎の日本家屋との対比というニュアンスもあったのかなと思いました、こうしたシーンでも人間とおおかみこどもの変化を色と形でバリエーション豊富にしていて工夫されているなと思いました。
 対比という効果では他にも屋内が薄暗い日本家屋というモチーフだと光と影が一つの画面の中で共存するレイアウト的な利点があるんだなという発見もありました。
 視点の共有という点では書いておきたいのがラストの雨が山を登って行くところに手を伸ばそうとする花のシーン。
 山の斜面を駆け登る雨の軌道と同じ軌道で重なるように花の手が入ってくる。
 見ている方は同じ目の動きを繰り返すことで、映像を見ている事が雨を目で追いかけるという意味になってくる。
 映像のテクニカルな部分を活かした映像だなと思いました。
 


 この映画を見ていて不思議だなと思ったのは、過程の描写がほとんど無声なんですよね。
 成長の過程や恋愛、出産の過程など、時間の進み方も省略されている感じで。
 映像的にも色々とディフォルメが効いていて、音だけでなく、顔のディテールが省略されていたり、かと思うと背景が緻密に動いていたりそうした情報の密度の差みたいなものが大きい作品ですね。
 省略と誇張が大きいことで作品全体にメリハリがあって飽きずに見れたのかなと思います。
 音楽の付け方も独特で雪原を親子で疾走するシーンが顕著ですが、BGMでもあり効果音でもあるというような使い方を意識している気がしました。
 こうした密度の差はどんな効果があるんでしょうか?
 特に自分が気になった点は、この作品の中に吹く風の表現です。
 この作品では意欲的なことに背景にある自然がいろいろな形で動くんですが、そこで表現されているもので印象に残るのが風の表現です。
 高原の湖に渡る風を見つめる雨、風の音はしません。
 この作品ではおおかみが関連するシーンに風が吹いているのが散見されます。
 冒頭と最後の抽象的な花と彼の逢瀬、おおかみおとこに変身する彼、おおかみこどもであることを告白する雪など。
 雪のシーン以外では風の音がしないのが印象的です。
 映像から意識的に風の音を抜いていると思います。
 この作品では映像の画や音の密度の差が非常に重要だと思いました。
 高原の湖のシーンで重要なのは、風が吹いているんだなと映画を見ている自分たちが、想像することです。
 これは美術として描かれている湖の湖面で波を動かすことでそれ自体を美しい場面として描いているとも言えるんですが、アニメでは効果音で説明することが多い、風という表現を動きだけで表している場面とも言えると思います。
 技術的に大きな労力のかかる映像だと思いますが、その風は前髪がさざなむだけのとても小さな風です。
 しかし、この小さな風が映画にとっては大切な風なんだと思います。
 そして表現として大切な部分は映像として少し足りないという点。
 このシーンで言えばそれは風の音ですが、ラストシーンでも雨を送り出す花のラストカットに映る青空は水たまりに映しだされているだけで、観客はそれを見て雨が止んで朝日が登った青空を想像するわけです。
 実際にその瞬間青空を見ているわけではありません、想像を強調するように連続して青空に映える入道雲が画面には映しだされますが、大切なのは見ているものを通して想像するという能動的な行為だと思います。
 そうした、工夫をこらすことで一つ一つの動きを意識させ、特別なものにする。
 アニメならではの快感がここにあります。
 では、そうした動きが作品にとってどんな意味があったのか?
 まず、共通して見られるのは彼と雪がおおかみにんげんであることを告白するというシーンで吹いている激しい風です。
 どちらもしずかなシーンなのですが、この激しい風の動きが激しい感情を想像させるものであるような気がします。
 そして、雨に吹く風。
 高原に渡る風と同じような小さな風が花との別離のシーンでも吹いており、それが花に声をかけられて躊躇する雨が決心するきっかけになっているように感じられました。
 ここにも風は共通の意味を通して吹いているような気がします。
 そして、風は花にも吹いていました。
 彼のおおかみにんげんであるという告白を受ける花のシーンや彼との逢瀬のシーンにも風が吹いていますが、そこに共通しているのは、風の音がしないという点だと思いますが、風が吹いているところは他にもあります。
 この映画は、花が風に揺られている所から始まります。
 そして、最後も花が風に揺られている所で終わります。
 ラストシーンで花の髪の風に揺れる動きは本当に些細なものですが、この映画を見た人にとってそれはただの風の動きではなく、もうとても大切な物に変わっていて、その風の声は狼の遠吠えの音をしている・・・・・・・・・
 おおかみこどもの雨と雪は、美しい映画だなと思いました。
 
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by Yakeishi-ni-Mizu | 2012-08-17 00:23

生きる

 さいきん、できるかぎり一日一本映画を見るようにしています。
 いま一ヶ月位経ちましたかね、40本くらい見ました。
 色々発見もあるし、考えることも多いいので面白いです。絵本もそうなんだけど映画もいろんな国のいろんな時代の創作を手軽に見れるという点が面白い。
 あと現実の人間が写っているっていう事自体が興味深いなと思います。
 人間の撮り方も色々なんですよね、動き方も色々あるし。
 しばらくは映画を見て楽しんでいけそうです、勿論アニメも見ていますけど。
 そんな中、映画のことも書いた方がいいよというアドバイスを頂いたので今日は少し映画の感想。
 


 黒澤明さんの「生きる」という映画を見ました。
 とても有名な映画ですね、ぼくは初めて見ました。
 面白かったです。
 この映画は一枚の写真から始まります。
 それは、これから死ぬ男の癌に侵された胃のレントゲン写真。
 そしてもう一枚の写真が出てきます、それはその男の葬式で飾られている遺影。
 この映画はこの写真を境にして違う構成で作られているのが面白いです。
 順を追って説明して行きましょう。
 胃のレントゲン写真の後に来るのが主人公が仕事をしている風景。
 その後ろにそびえ立つ、資料の山。
 象徴的な絵で印象に残ります、と同時にこの風景がお話の最後の伏線になっています。
 仕事をしている主人公は事務的に仕事を右から左に受け流しているような感じで、意見に来た人たち之話も受け流してしまう、この物語はそんなところから始まります。
 この作品は入口と出口が同じ所にあって、それが二枚の写真と一つの風景、そして歌だと思いました。
 まず癌に侵された主人公の胃のレントゲン写真から始まる物語。
 癌に侵されていることを知って狼狽する主人公が無為に生きる日々がつづられていくんですけど、主人公の表情を見せるカットが凄く多いんですよね。
 それがちょっとやり過ぎなんじゃないかなあと思うくらい、自分のことをしゃべろうとするんだけど、どもってどもって会話も進まず、ただただ悲しそうな主人公の顔が映る。
 劇中ゴンドラの唄を歌うシーンがあって、歌いながら静かに涙を流したりするんですが周りの人がどんどん引いて言っちゃう位で。
 でも、それがアクセントというか、映画を見ている中で付箋のような役割をもつ演出なんだなと最後まで見て感じました。
 この作品は演出が実に上手いなあと思わされるところが色々あって、中でも主人公が若い女性の一言で自分にもやればできる!っと心機一転するシーンがあって、主人公が階段を駆け下りて画面からはけていくんですが、階段の上をハッピーバースデーの歌を歌う人たちが囲んでいて、まるで主人公が生まれ変わったことを祝福しているように見えるんです。
 それは入れ替わりに階段を登ってきた女性に向けられた歌だと分かるんですけど、面白い演出ですよね。
 映画を見ている自分たちには、主人公のための歌にしか感じられない。
 主人公はそこから心機一転して、公園づくりにとりくむんですが、亡くなってしまう。
 そしてもう1枚の写真遺影から始まる、お葬式の様子。
 ここからは、お葬式に来た人たちの回想から心機一転してから亡くなるまでの主人公の様子が客観的に語られます。
 客観的な視点。
 どんな感じかというと、それまで、これでもかと写してきた主人公の顔のアップが少なくなって、遠くから見た姿だったり、シルエットで表情の分からない映像に段々なっていくんです。
 見ている時になるんですよね、この時どんな顔をしているんだろうって、おもわず想像してしまう。
 そして最後の最後、主人公が亡くなる直前を見ていた警官の回想で出来上がった公園で一人ブランコに乗っている、そして歌っているのはまたゴンドラの唄。
 映画を見ると分かるんですが、同じ唄なんだけど違う歌に聞こえるんですよね。
 涙を流しながら歌っていた歌が、嬉しそうに歌っている歌に変わる。
 もちろん、映画を見ている人にも、同じ歌が違ったものとして聞こえていると思います。
 歌を歌っている主人公の姿にカメラは少しづつ少しずつ近づいていくんですが、もう少しで表情がちゃんと分かるかな?と思うような所でカットが切り替わってまた主人公の遺影に画面が変わります。
 このシーンのはじめにも見た写真なんだけど、少し違って見える、この写真は笑っているのかもしれない・・・・・・・・・
 見ていてそんな風に思いました、あるいは想像してしまいます。
 主人公が自分の死期を知りながら最後まで公園を作ることに命をかけていたことを知って、お葬式に来ていた人たちはすごく盛り上がって、俺達も主人公のように変わろう!俺たちもやればできる!となるんですが、後日その人達が仕事をしている風景。
 この物語の最初の風景と同じ風景です。
 山のような資料を背に主人公と入れ替わって事務的に仕事をするお葬式に来た人たち、意見に来た人たちのことも受け流す、映画の最初の主人公のように。
 中の一人が意見しようとするんだけど、できない。
 ここが上手いなあと思うんですが、意見の出来なかった人は立ち上がって、何も言わずにまた座りなおしてしまうんですが、その姿が段々と資料の山の向こうに沈んでいくんです。
 物語はこの何もいえなかった人が主人公が作った公園を眺める所で終わります。
 何も変わらなかった、変わった主人公は特別だったんだろうか・・・・・・・・・? 
 この映画を見て面白かった所、それは映画と観客の関係です。 
 受け手である自分はお葬式までの描写で主人公に寄り添い、お葬式の後からは参列した人々と同じように、主人公の事を断片的な回想から想像します。
 そう想像するように誘導されていると感じました。
 それは最初にあった主人公の感情が、お葬式以後は空白になっているからです。
 今まであったものがなくなってしまった。それを想像で補って保管しようとする、そしてそういう想像をしていくために映画の所々に付箋を貼るように散りばめられた要素があるわけです。
 これでもかと映る主人公の顔、二枚の写真、一つの風景、そして歌。
 これらの要素が映画を見ていく中で違った意味を持つようになり、想像をしていく要素にもなる。
 うまい演出だなあと思いました。
 興味深いのは、この断片的な要素から主人公が心機一転して公園を作ろうとする姿、そしてその最後を想像するという姿勢がお葬式に参列している人々と同じだという所です。
 映画を見ていく中で自然と映画の登場人物と同じところに立たされてる。
 実にテクニカルな映画だなあと思います、そしてこの演出自体が映画のテーマと深く結びついているなと感じます。
 テーマと技術が卵と鶏のように密接な関係を持っている所が素晴らしいですね。
 そして、この映画を通して問いかけられているもの、それは主人公の生き様だけではなく変わらなかった人々の姿にもあると思います。
 何も変わらなかった、変わった主人公は特別だったんだろうか、じゃあこの映画を見ている君は・・・・・・・・・? 
 そういう映画だと思いました。
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by Yakeishi-ni-Mizu | 2012-08-06 01:15

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