銀の匙、3月のライオン虹色ほたる、ももへの手紙

 「虹色ほたる」公開初日に見てきましたー。
 ネタバレ有ります。
 見て良かったです。もっと大作的な空気を押し出したり、感動的な部分を押し付けられるのかという先入観があったんですが、子供たちが楽しそうにしているのを楽しくみれる映画でした。
 作画的に最初見ていて、ちょっと動き過ぎかなあとも思ったのですが、まあ子供には元気に走り回っていただいたほうが自分は嬉しいです。
 作画的には水まわりの作画を西田達三さんが担当されていると思うんですが、独特のフォルムの波しぶきだったり、巻き上がる水泡とまとわりつく水泡の描き分けとか西田さんの煙の描き方にも通じる部分ですが、見ていて気持ちのよいエフェクトでした。
 水中の描写とか色分けであっさりしているんですけど水の中にいる感じがしてとても良かったです、水上の部分を緑系にしている配色もいい感じ。
 この作品では画面に出てくるものがほとんど手描きらしくって、レンズ効果や水の光のチラツキとかちょっとした質感の表がも綺麗でソフトが出たら細かく見なおしてみたいポイントです。
 花火まで手描きで、驚きました。
 手描きで成功している花火の描写は初めて見たと思います。
 後半の虹色ほたるの起こす奇跡の描写も似た手法で描かれていましたが、光だけに限らず雨までこの作品では鉛筆のザラザラとした質感を生かして表現されていて、面白かったですね。
 動きの方は走りとか、ももへの手紙と対照的だなあと思ったんですが正面からの走り方とか腕の振りで腕がこう→ ∧→∨ しなる感じが強調されていることで動きが大きく見えるのがよかったですね。
 山下高明さんがこういう動きを描く印象があります。
 ももの方は走る時姿勢が良い感じで、精一杯走れば走るほど腕の振りは大きくなるんだけど腕の形がこんな形 → 」  で固定されて走るからなのか、少し平面的な絵に見えました。
 これは影の少ない絵柄だという理由もあると思います 
 虹色ほたるも影の少ない絵なんですが、映画全体を通して、レイアウト段階でで光の設計がされているようで、登場人物が画面の中で奥行きのある動きをした際に、影になっている所から光のある場まで移動する(またはその逆)という表現が見られました。
 光と影のコントラストと、光の層で画面を作ってあり、奥行きの感じられる映像でした。。
 絵柄の統制がかなりしっかりとした中で、橋本晋司さんと大平晋也さんと思しきカットだけがかなり異色の画面になっていて、後半の盛り上がりどころで大平さんの作画になるところでは、見ながら心が冷静になってしまいました。
 演出的に好意的に理解することもできる場面なので、見直したらどうなのかなあ。
 お話は自分の生き死にを自分で選択するというなかなか難しい話で、驚きました。
 そちらの描写を重ねていって、どんどん重い話になるのかなあとも思ったんですが、日々の生活を時間を丹念に楽しそうに描き。
 現在の部分はサラリと描写している点で、嫌味にならない好感をもちました。
 ただ、あの二人が一緒に住んでいたおばあさんには、本当の家族は誰もいないのかなあとか見終わった後に考えて、すこし寂しくなりましたね。
 

 「ももへの手紙」公開初日に見に行きました。
 結構普通に見れて、笑えるところでは笑えて、泣くところでは泣けるような作品だったと思います。
 ただ、最後の祭りのシーンには蛇足的な感じを得て、EDが流れるまでにかなり冷静になってしまいました。
 見ていて、ひとつひとつ要素がなんか古いなあとか芝居がかっているなあという違和感のもやもやもあったり。
 絵的なディフォルメの幅が意外と広い作品で、目頭まで細かく描きこんだ表情になったかと思うと、江口寿史みたいなギャグ顔になったり。
 「人狼」の時とくらべると全体的にシワの表現にこだわった表情や衣服の描きこみに重点が置かれていて、アニメ絵として避けそうな難しいモチーフを高度な技術力でシームレスに見せているのには驚きました。
 おじいさんのランニング姿とか、イノセンスに出てきたサイボーグ並みのアバラ骨なのに見ていて違和感なくって凄い画力だなあと思います。
 芝居がかっているなあと思うのは、見ていてレイアウト的にここからこれくらいまで動くというのが事前に想像しやすい位置にキャラクターが収まっていて、カットの尺も長めなのも理由かもしれません。
 家屋の中で日常生活をしているシーンが多い作品だからなのか、手持ち無沙汰という状態の芝居が多いとか、姿勢が良すぎるのではないかとか他にも色々と思うのですが、動き自体がちょっとわざとらしいなと思う部分が所々にあって、お父さんがももに謝る所は顕著に感じました。
 ただ、ここはあえてポーズとして大げさに謝っている部分だとも思うので、コレはコレでありかなあとは思いました。
 動き的には、虹色ほたると走りかただけ比べてみても、虹色では起伏の多い地形の中で大きな移動をするからなのか、体制を崩したポーズが(下半身が先行したり)多くって対照的だと思います。
 ももは全体的に高度な技術力で全体を均質に見せていて、滑らかなさわり心地な分落差を感じづらいのがいいところでもあり、悪いところでもあるのかなあと思いました。
 お話的にも技術的にも、虹色ほたるはとももは非常に対照的な作品で、比較してみて自分の好みを理解するのに役立つ作品なのではないかなあと思いました。
 


 「銀の匙」あかぱぺさんにすすめられて、読んでみました。
 面白かったです、出てくるもので農業機械とか搾乳施設とかをひとつひとつ魅力的に感じているものとして描いている部分に好感を持ちました。
 うしとかブタとか、絵としてもうすこし汚くても良いかなあとも思うんですけど、これくらいが読みやすいのかなあ。
 3巻がきになる所で終わったので、早く続きが読みたいです。

 「3月のライオン」は読んでいて思ったことがひとつあります。
 ちょっとアニメーターっぽい。
 まあ、これは自分が投影して読んでしまっただけなんですが。 
 アニメーターの人たちも作画MADとかそういうものを見ると、人間ってここまで描けるのかとかアスリート的な感動があるなといつも思うんですが、実際に会うと勝負師的な感覚も少しあるなあとか。
 将棋のプロに感じている漠然とした印象なんですけど、ちょっと似ているかなと思うこともあって、そんな諸々を含めて、自分の中で投影するようなところがありました。
 作中、島田という登場人物が名人との対局を控えて、うさぎのかめの例え話みたいな感じで名人の話をして差が縮まらないからといって、自分が努力しない理由にはならないという話をしていて、思うところがありました。
 この羽海野チカさんの作品を読んでいていつも思うことがあります。
 この人がいつも描いているのは才能についてなんじゃないかと。
 才能っていうのはなかなかやっかいな言葉で人を縛り付ける力があるように思います。
 この漫画を読みながら、いろんな分野で才能がある人もない人も、自分や他人の才能と戦っているのかなあと考えました。
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by Yakeishi-ni-Mizu | 2012-05-20 23:27

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